うつ病九段を読んで、軽度のうつだったかもしれないと知った
昨夜スマホをいじっていたら、たまたま「うつ病九段」というタイトルが目に入った。
興味深いタイトルだったので、無料分を全て読んでみた。
「3月のライオン」が好きでよく読んでいるが、
その監修をされているプロ棋士(九段)先崎学さんの体験をマンガであることに気が付いた。
うつについては、 うつヌケやネット上の体験マンガ、記事を読んで少し知ったつもりでいた。
若い時―上京後と社会人4年目―には、多少メンタルがやられた経験もあったので、自分の身に起これば当然気づくものと思っていた。
しかしうつ病九段を読んで、年末年始の1-2か月ほど自分は軽度のうつだったかもしれないと知った。
先崎さんの症状に心当たりがあった。
たっぷり睡眠をとっても消えない疲労。
物忘れ、言葉がつかえる頻度の増加。
頭の回転が重く鈍く、視覚に入るものはハッキリ見えるのに、ぼやけたような感覚。
突然ふってくる孤独と悲しみ。
仕事への虚しさと会社への失望、そこにいる自分の価値の低さ。
どれも日常でたまに起こるような感情や出来事だ。
身重な妻の神経に触らないよう、家事と育児をしたり、週末には子供との遊びで疲れが出たのだろうと決めつけていた。また、天候の変化や低気圧で体調が左右されることもあるため、「こういう時もあるさ」程度で済ましていた。
ちょうど、ステップアップのための転職活動をしていた時期でもあった。自信満々だった私は直ぐに決まるとタカをくくっていたが、最終かその一つ前でいつも落とされた。しかし、自分が「選ぶ」側の感覚でいたのと、どんな会社・ポジションか見てみようと生半可な心構えでロクに準備もしていなかった。さほどショックを感じずに結果を受け入れていた。
転職活動より1ヶ月前ほど、仕事量が少なくなり退屈になった。年間目標は達成していたので成績には問題がなかったのだが、ちょうどこの頃位から、他人と自分を比較することが増えていった。昔の会社の同僚や、自分より年下か同い年齢の人たちが昇進や成果を挙げていることを目にして、会社に選ばれず退屈に過ごしていることに焦りを覚えた。
およそ3-4か月の間に、焦りや他人との比較(=自分を卑下)、そして感情の起伏、体調への影響が徐々に増していった、と今振り返ればわかる。うつ病九段を読んだ後、布団の中で少しほっとした。そして少し胸が軽くなったように感じた。
もう少し考えた。具体的には何が自分を軽度のうつにしたのかと。
応募した会社に選ばれなかったからか?
優秀な人間がバリバリ活躍している一方、退屈な時間を過ごしていたからか?
天候の影響か?
家事や育児、妻への配慮に神経をすり減らしたのか?
会社のアホさ加減に嫌気がさし、そこにいる自分を卑下したからか?
転職スケジュールが計画通りにいかず変更を繰り返したからか?
私なりに2つの仮説が思いついた。
1つ目は、自分の価値は「仕事」や「自己研鑽」の上に成り立つと信じていた。
2つ目は、「仕事」や「自己研鑽」をしていない時間分、自分の価値は減っていくと信じていた。
つまり、仕事やお勉強を一生懸命にやらない自分には価値がない、と信じていたことになる。
この仮説が思いついた瞬間、さらに胸が軽くなった。
同時に、自分はなんと小さなモノサシで自分の未来を創ろうとしていたのか、と絶句した。
仕事・知識・キャリア以外で、自分という人間は価値があり、心から信頼できると言いたい。
それが何なのか、また今夜から考えることにしようと思う。